201510/20
【ブログ-銀座】藤田寛之プロが求めるドライバーの弾道は?新RMXはビビるクラブ!!
10月20日の「オトナの自由時間 マーク金井の喋らずにいられない!」。23日に発売になるNEW RMXの話をするためにヤマハ株式会社の柴健一郎さんが浜松から登場!マークさんが「ビビった」のは、どんな所なんでしょう??
10月20日の『オトナの自由時間 マーク金井の喋らずにいられない!』。車で日本オープンに観戦に行っていたマークさん。片道8時間の長旅をしてみて、「年に1回行く根性はないですけど、何年かに1回はやりたい」と思ったようです。場所によっての流行りなど、街のグラデーションを感じるには車での旅が良かったそうです。自分が20代の時にお世話になった所とかにも行けて、充実したドライブにもなったというマークさんでした。
ゲスト:柴健一郎さん(ヤマハ株式会社)
今週もメーカーさんいらっしゃ~い!23日に発売になるNEW RMXを引っ提げて、ヤマハ株式会社の柴健一郎さんが浜松からやってきてくれました。
マーク:製品発表会が凄かったの。銀座のヤマハで、生演奏とかしてるんだよ。場所、間違えたかなって思いましたよ。誰が考えたんですか?
柴:うちのプロモーション担当が考えました。
マーク:ずっとヤマハですか?
柴:もう20数年ですね。最初の10年は全然違う仕事をしてました。楽器の方だったんですが、出張から帰ってきたら「明日からゴルフに行けって」(笑)
マーク:それが島耕作の世界ですよね。僕もその頃にヤマハのクラブを買いましたよ。全部がカーボンのヘッドのクラブ。今、持ってたら面白かったのに(笑)
柴:最初はカーボンからだって聞きました。うちのクラブの倉庫にはありますよ。
マーク:ヤマハさんは、すごくオシャレでカッコイイイメージと、あとは特殊だなって。最初がカーボンで、今回のクラブもブレていないですよね。
柴:後から参入しているので「入るからには、他にないモノを作る」というのが社長からの指示だったと聞いています。今、我々が言われるということはないんですけど、最初のそれが続いているのかなと。
RMXのコンセプト
マーク:ここ何年かのテーマが、ヘッドとシャフトが分離してもよくなって、ユーザーは別々に買いたいという欲が出てきて、ヤマハさんはそこを実践していますよね。
柴:2013年モデルからなので、発売は2012年の暮れからですね。
マーク:業界は激震ですよ。
柴:”ヤマハらしさ”と”他にはないこと”を議論して、アジャスタブルにする上でお客様に新しい愉しみを提供するという事になたんです。最初は、どうなるかわからない部分はありました。
マーク:でも、ユーザーは喜んだでしょ?
柴:最初は、そんな風に認識していただけないというか…。バラバラに買ってもらっている機会が想定より少なかったので、次の年はヘッドとシャフトのセットに、ヘッドかシャフトをもう1つ付く3点セットでというのを2週間キャンペーンでやって、ヘッドとシャフトが別々というのを楽しんでもらおうと企画しました。これも相当、議論をしましたけど……
マーク:スノーボードだと、板・ビンディング・シューズと安いものはセットなんだけど、上級者向けとかだと別々なの。だからゴルフも継続して買う人には、シャフトはそのままでヘッドだけ変えたりしたいと思うんですよ。せっかく取り外しできるのに、モデルチェンジをしたらシャフトが使えなくなったりするケースが多いですけど、ヤマハさんはスリーブはえたけど、まだ使えるんですよ。
柴:バラ売りをした以上は、使えないというわけにはいきませんから。まだ知られていないのかもしれませんけど、シャフトを気に入っているという方ならヘッドだけ新しいものが使えますよ。
マーク:ビックリしたのが、名前が変わったの。
柴:はい。2003年から再出発という意味で「インプレス」というブランドを立ち上げました。お客様を決めて、悩みをしっかり解決しようとやってきましたて「インプレス RMX」というモデルを出しました。そして、今年はRMXというモデルを独り立ちさせて、自分でチューンナップする“プログレッシブゴルファー”というターゲットにして、クラブを進化させて自分も進化させるという人に向けてやろうとなりました。
マーク:言いにくいかもしれまんが、インプレスという名前を外したという事は、多ブランド化という可能性もあるんですか?
柴:ここでは言えませんが、可能性はないとは……
マーク:モデルチェンジをしても「何が変わった?」という厳しい意見があるから、挑戦する部分が大変じゃないですか?
柴:ヘッドそのものの性能が良くないと買い替える意味がなくなるじゃないですか。しかもシャフトとセットではなく、ヘッドだけの性能で勝負しなければいけないので、クラブ開発陣は「えらいことになった」と言っていました。もっと効率よくたわませたくて根本から見直しました。クラウンの外側をプレーンに保ちながら薄肉の箇所を作るのが効率が良いっということで、溝を外に見せるのではなく内に側に作りこみました。
マーク:伝統的なデザインを大事にしていますよね。ギミックを見せないのがヤマハのこだわりなのかなって感じもします。でも、見えていないという事は逆にアピールポイントが難しいじゃないですか。「代わり映えしないぞ」って。打って違いをわからせるのは難しいですよね。ルールの規制前は、世界一反発係数の高い素材を使って超高反発を作ったりもしていたメーカですけど、たわむメリットはどんな所なんですか?
柴:高反発の時代も結果としてたわんでいたんですけど。例えば、鉄球が2つあって、どちらかを動かして、もう一方にぶつけると、どちらも当たり合いながら、延々と動きますよね。物理的には、同じ硬さのモノがぶつかれば、効率よく動くので、ボールとヘッドが同じぐらいつぶれて動けばボールへのエネルギー伝達は良いです。だから、ボールのつぶれ方にヘッドも合わせて、たわませているということなんです。
シンディ:つぶれた方が飛ぶんですか?
マーク:みんな硬い方が反発すると良いと思いがちなんですけどね。
柴:フェース面にはルールの規制がありますから、ヘッド全体のたわみ具合でボールに近づけています。
マーク:最近は、どこのメーカーもコンピュータ分析が進んでいますが、ある程度はコンピュータで計算してってことですか?
柴:ボールの反発のシミュレーションはかなりの確率でできますね。ルール内で、フェースのどこに当たっても飛ぶようにしたいと思ったんですね。でも実際にやると、かなりの数の試作が必要なので、反発の部分はコンピュータでやらせるんですよ。昔はスーパーコンピュータで1か月必要だったことが、今は手持ちのPCで1週間とかなんですよね。
マーク:今のPCはね。大阪万博の時のスーパーコンピュータなんて、今のiPhone以下の性能でしたよ(笑)ヘッドのたわみでエネルギーロスを減らすと。で、裏というか内部ですが……
シンディ:クモみたいな形ですよね?
マーク:こういうのもコンピュータ上で?
柴:フェース全面でルール内に保つというのをコンピュータが何万通りと出すんです。それをコンピュータ上でポンポン打っていると、相性が良いのが出てくるんです。突然変異的なものが。それを実際に作れる形状にしていくとのが開発工程です。
マーク:誤解を恐れずに言うと、ヤマハさんだけじゃなくて、すべてのメーカーが飛ばないクラブを作っているの。言い方を変えたら“飛ぶクラブ”はいくらでも作れるんですけど、ルールに収めなきゃいけないから、100のルールに対して99.9999999…と9をいくつ連ねられるかって試行錯誤しているんですよね。
藤田寛之プロの求める弾道
マーク:ヤマハと言えば、藤田寛之プロ。46歳ですよ。この10年間で20y伸びたって。野球選手で、40代になってホームランの飛距離伸びたなんて聞かないですもんね。ずっとヤマハ?
柴:大学を出て、うちの葛城コースの練習生からなので、ずっとですね。
マーク:藤田さんはコミットしていますよね。
柴:かなり早い段階からプランを出して試打をしてもらっているのと、プロからも要望が出てきますね。
マーク:どんな要望が?
柴:やっぱり距離なんですけど、今は藤田プロも飛ぶ部類に入ってきているので、ただの距離というより”飛びの姿”ですね。簡単に言うと、ちょっとスピンが多めが良いと。一般には、2500~2000を切るぐらいが飛ぶって言うんですけど、藤田プロの場合は2700ぐらいが自分でコントロールしているボールと感じるようです。
マーク:浮力のあるボールを打ちたい感じなんですね。でも、今回のRMXは116も216もスピンが少ない感じですよね。
柴:どちらも、流行りの“浅重心”ではないんですよ。浅くすると打ちだし角を出しにくくなりますので、それなりに重心距離を取ってその中でスピンを低くしているので捕まりもあります。
マーク:とにかく捕まるクラブにこだわっているなと。ほとんどのアマチュアゴルファーはスライスに悩むじゃないですか。だから、どんなゴルファーにというのが明確ですよね。
柴:先ほども話した、インプレスの時にユーザーを棚卸して「スライサーが多いね」ということがわかって、そこから、ずっと来ていますので。フェースが左に向かって飛び出すというより、ヘッドが返りやすくて、ヒールよりに重心があってといいう感じですね。
RMX216が凄い!?
マーク:ドライバーに目が行くんだけど、今回 アイアンにビビった!!アイアンってドライバーに比べて設計の自由度が低いんですよ。だいたい外観で性能が決まるんだけど、RMX216を初めて打った瞬間に完璧な球が出てね。そんなにロフトが立っていないのに7番で175yぐらい飛んだんですよ。
柴:これです。ソールが1mmです。(写真右側)
マーク:割れるよ。1mmなんて考えられない!
柴:全商品、工場でチェックしているので大丈夫です。これまでは、フェースだけたわませて飛距離という設計をしてきたんですけど、ウッドと同じようにするヘッド全体をたわませようとしました。
マーク:僕は打った瞬間にビビッてもうたから。フェースがはじくクラブって他にもあるんだけど、ちょっと変わった音のクラブも多いんだけど、そこの違和感もなかったの。
柴:ボディ全体をはじく材料で一体成型にしたので、効率よくたわむし、周波数が同じ雑味のない音になっていると思います。これまでは別の素材を接着していたので、そこで余計なものが入って音に影響していたんです。
マーク:良いモノを作ると心配になるよね。次が大変!僕が担当者やったら「ちょっと水で薄めておこうかな」って思ったかも。ここで退社するならね良いけど続きますからね。でも、アイアンを売るのが大変なのよ。
柴:ドライバーの“飛ぶ”に反応しやすいと言うか……。普通のアイアンの飛びは、なかなか伝わり辛いんで、使っていただいている方を見たりして徐々に売れていく感じです。
マーク:ドライバーは1yでも飛べば売れるの。でもアイアンは保守的でブランドとかイメージで選ぶ人が多いの。ウッドは2~3年で買い替えるけど、アイアンは5~6年使うから、慣れも長くてクラブの性能だけじゃなくなるのよ。良いモノが売れるなら楽なんだろうけど。アイアンやウェッジは”○○プロ愛用”みたいなモデルが売れるんですよね。技量がないと性能は見極められないの。
柴:ドライバーだとデータはすぐに見えるんですけど。アイアンはシングルの人でも10回打ったら10回違う数値が出てくるんですよ。データで見るとそうなっちゃうので、長い目でスコアが安定するとかコースで易しいとかを体験してもらわないと違いはすぐには、わかり辛いかもしれません。
マーク:「クラブが助けてくれる」っていう違いをゴルファーが感じないとアイアンは差がわからないの。ピアノでも猫ふんじゃったしか弾けないと、良いピアノか悪いピアノか差はわからないでしょ。ゴルフも楽器と一緒だと言った方が良いと思うんですよ。ゴルフはゴルファーを補助しようとしすぎていて、開発が99.9999999%行きついていて、あとはゴルファーを変えるしかないんですよ。今は、技術のある人には物凄くベネフィットがあって、技術がないと少ししか受けれないの。今回のRMXのボディ全体で飛距離を出すというのを一回体験して欲しいですね。
「オトナの自由時間 マーク金井の喋らずにいられない!」毎週火曜日 19:00~20:30 On Air
ご試聴はこちらから⇒http://www.soraxniwa.com/radio/player/ginza
ソラトニワステーション情報
- 番組名:オトナの自由時間 マーク金井の喋らずにいられない!
- 放送時間:毎週火曜日
- パーソナリティ:マーク金井、しん(アシスタント)
- 番組紹介文:日本ハーフコース振興協会会長も努め年間1,000本以上のクラブを試打、500本以上のシャフトをテストするクラブアナリスト、マーク金井がゴルフの魅力を存分にお届けします。
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