20157/8
【ブログ-銀座】持ち乗り調教助手の1日
7月8日の「銀座競馬倶楽部 村上卓史の馬イイ話」。美浦の古賀慎明厩舎の調教助手・大西貴久さんをお迎えしました。持ち乗り調教助手ってどんなお仕事??G1馬を担当した敏腕助手さんにたっぷりお話をお聞きしました。
7月8日の「銀座競馬倶楽部 村上卓史の馬イイ話」。ゲストは美浦の古賀慎明厩舎の調教助手・大西貴久さんをお迎えしました。過去にはオークス馬・サンテミリオン、現在はCBC賞にも出走したベステゲシェンクを担当されています。
調教師が経営者、厩務員が馬を世話する人、調教助手は調教をする人という役割分担ですが、大西さんの“持ち乗り調教助手”というのは、厩務員のようの担当馬2頭のケア+その馬の調教をする人なので、厩舎にいる間、馬のオンもオフ全ての面倒を見ていると言っても過言ではないお仕事です。
この時期は美浦トレセンのトラックが5時開場なので3時には仕事を始めているそうです。最初の1時間で馬体のチェックと馬房の掃除、鞍を付けて、そこから調教の前のウォーミングアップに1時間。その後に追切をして、クールダウンの運動に30分。2頭で5時間~6時間かかるので9時ぐらいに一息つける時間がやってきます。合間は家に帰ってゆっくりしたりしてから、14時半に集合して16時頃まで午後の作業。馬房の掃除や馬の手入れなどをして夜の飼葉を与えます。ここまでがいわゆる“拘束時間”の仕事ですが、この後に馬の状態に合わせたマッサージなどをしてあげるのだそうです。基本な7時間半勤務というのがルールなのだとか。
火曜日~土曜日はこんなリズムでお仕事をして、日曜日の午後から月曜日は交代制でお休みを取っているそうなのですが、厩務員さんや持ち乗りの人は休みの月曜日の朝にも厩舎に出てきて、担当馬の様子を見に来るのだとか……。きちんとした状態で競馬に送り出すのが自分たちの仕事なので、気になって仕方がない様子です。
ちなみに、厩舎関係者として働くにはJRA競馬学校の厩務員課程を卒業しなければいけません。28歳までに競馬学校に入学しなければならないのですが、年に2回募集があって半年通って卒業していきます。でも、受験資格に乗馬経験や牧場勤務経験が必要……ということなので、20代になった頃には志を決めていないと難しいのだそうです。
高専に行っていたという大西さんは、5年生の時に高専の内容に飽きて、昔から見ていた競馬の方に行きたいと決心。そこから乗馬クラブに通って、その後はオーストラリアの日本人向けの競馬学校へ行って基礎から2年半お勉強。この頃はオーストラリアでジョッキーになろうかと考えていたようですが、調教師に目標を転換。一番見たいと感じたイギリス競馬を1年習い、そこからアメリカへ半年。そして帰国して大山ヒルズで牧場勤務をしながら厩務員試験を受けていたのだそうです。
なんて話をしていると、小島友実さんがスタジオへ!!大西さんと村上さんが知り合ったのはコジトモさんたちの集まりだった繋がりもあって急きょ一緒にお送りしていきます。
担当馬は古賀厩舎では。古賀先生が振り分けているようです。(厩舎によってはドラフトをしている所もあるのだとか……)1度に担当できるのは2頭までなので、どの馬を担当できるかはタイミングが大きいようです。厩舎に20頭ぐらい在厩していて、それを10人ぐらいで担当分けして世話をしていきます。1頭が放牧に出たら、変わりに1頭が戻ってきてというパターンになるので、その都度、古賀先生が担当を指名しているそうです。ただし、上のクラスの馬ほど、きちんと担当が決まっていたり、下級条件の馬だと“あんこ馬”と呼ばれて担当が決まっていないことが多いという傾向はあるようです。
ちなみに厩舎関係者に向いているのは「楽天的な人よりは神経質な人」だと大西さん。生き物を相手にするので、同じルーティンで動けたり、感じた違和感を調教師に報告できるような人でないと難しいようで、調教師も神経質な方が多いのだとか。競走馬は活躍しないと淘汰されていくので、勝つことでホッとした気持ちにもなるようです。活躍すればするほど、馬のその先の環境が良くなっていくので、少しでも良い成績を残させたいとの思いも話してくれました。
馬に一番身近で接している人の思いを聞けて、新たな発見があった村上さん(とコジトモさん)でした。まだまだ聞き足りないので、改めて番組へのご出演お願いいたします!!
大西貴久Twitter:@takanori7130
「銀座競馬倶楽部 村上卓史の馬イイ話」毎週水曜日 17:00~18:30 On Air
ご試聴はこちらから⇒http://www.soraxniwa.com/radio/player/ginza
ソラトニワステーション情報
- 番組名:銀座競馬倶楽部 村上卓史の馬イイ話
- 放送時間:毎週水曜日
- パーソナリティ:村上卓史
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