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日本日和:手作り「江戸風鈴」制作を体験してみた!

心地よい風と共に、私たちに夏を感じさせてくれるのが「風鈴」。この風鈴の伝統を引き継ぎ、「江戸風鈴」を手作りされている、江戸川区の無形文化財保持者で東京都名誉都民である、篠原儀治さんのご家族や愛弟子が作ったものを伝承している篠原風鈴本舗に伺った。

春。四季を感じることのできる、私たち日本人にとっては、特にうれしい季節です。心地よい風と共に、私たちに夏を感じさせてくれるのが「風鈴」。この風鈴を、伝統を引き継ぎ、手作りされる方がいると聞き、東京の下町・瑞江に伺った。

 

出迎えてくれたのは、篠原風鈴本舗の篠原惠美さん。江戸川区の無形文化財保持者で東京都名誉都民である、篠原儀治さんのご家族や愛弟子が作ったものを伝承するおひとりだ。

 

江戸風鈴は、とにかく手間がかかる。朝7:30には起きて、就寝は深夜1:00まで。膨らます、いわゆるガラス吹き(宙吹き)と、その次に塗りの行程がある。

ガラス吹きは、一日で300個ほど。基本、2人でローテーションを組みでの作業。釜の温度は約1300°。釜の中に壺があり、原材料のガラスをいれて、長い棒で熱された玉(口玉/くちだま)を作り、その中に穴をあけ、膨らます。「口玉を作れるようになるまでが3年で、やはり全ての行程ができるようになるまでは10年はかかります」。簡単な作業にみえるが、実はとても繊細な作業。巻き取る作業ひとつでさえ、難しいそうだ。

 

「私たちの江戸風鈴は、型を使わず 1つ1つ手作りのため、音が1つずつ違います。また、鳴り口の断面がわざとギザギザになっているため、振り管とこすれることによって良い音を奏でます」。手にとって見ていただくと、輸入品と手作りのクオリティ差がはっきりと判るはずだ。

 

その次の行程は、絵付けと言われる「塗り」。手作りの江戸風鈴は、内側(裏側)から色を入れる。だから、絵柄も全てウラ側からのものを想定して作るので、熟練の慣れが必要。「塗る時は、黒が一番先に入れます。例えば、墨(黒)で「すがき」、内塗りして、「赤塗り」をおこなう。その過程が必要なため、何色か塗る場合には、寝かせる時間も含め1日では終わらないことも多い」。

 

昔の風鈴は「赤」色が多く、絵柄は庶民の夢を託したもの、めでたいものが多かった。ちなみに現在の主流は、涼しさを感じる「透明」色。

 

この江戸風鈴は、実際の見学そして制作体験することができる。難しい部分は職人がおこなうが「宙吹き」では、自身の息でできた(世界で唯一の)風鈴を作ることができる。また、風鈴の絵付けも体験できる。プロは油性で色を入れるが、体験教室では洗濯しやすいポスターカラーを使うので安心だ。

 

見学や制作体験は、下記概要で常時開催されている。繁忙期の春や夏なので、それ以外の時期に参加されることをオススメしたい。

 

江戸風鈴の制作体験

ガラス吹き(宙吹き)から絵付けまで、江戸風鈴作りの工程を見学いただけます。なお見学は無料。都合により不可の場合あり(要予約)。
~繁忙期(毎年7月~9月上旬)は体験を実施しておりません。
~日曜・祝日はお休みとなります。
~ご予約はお電話にて承っております。

お問い合わせ先: 03-3670-2512
その際に、以下の情報をご準備ください。
 1:ご希望の日程・お時間
 2:体験の内容(絵付けのみorガラス吹きから)
 3:代表の方のお名前とご連絡先・人数

(1)絵付け体験
~気軽に参加できる、短時間での体験。
所要時間:1時間程度(1名~60名)
料金:1,200円(税込)
・ガラスをふくらます見学
・仕事の説明、質疑応答
・絵付けの体験

(2)ガラス吹き~絵付け体験
~ガラス吹きから絵付けまでの体験。
所要時間:10名で1時間程度。30名で1時間45分程度
料金:1,700円/1個(税込)
・ガラスをふくらます見学
・仕事の説明、質疑応答
・一人ずつガラスをふくらませる。(職人の手伝いあり)
・(ガラスがさめてから)絵付け。
・(絵付け終了後、鳴るように)糸付け。
・完成後、箱に入れてお持ち帰り。
※1人から体験可能

 


 

篠原風鈴本舗

場所:東京都江戸川区南篠崎4-22-5
お問い合わせ:03-3670-2512

江戸風鈴公式サイト

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