【西野亮廣】私をNYに連れてって!(上)
アーティストが個展を開催するのに必要な資金を集めることができて、告知もできる仕組み、クラウドファンディング。実は以外と知られていないクラウドファンディングを実際に使い、NY(ニューヨーク)のど真ん中で個展を開催した絵本作家の西野亮廣さんにインタビューした。
キングコング西野亮廣、NYで原画展開催〜あたしをNYに連れてって!〜
というタイトルで2013年に日本のクラウドファウンディング”CAMPFIRE”で自らの絵本の原画展をニューヨークで行うべく募集を開始し、その後サクセス、2014年2月16日から18日まで米ニューヨークのトライベッカにあるギャラリー「One Art Space」で絵本原画展『Akihiro Nishino Solo Art Exhibition』を開催した。
大盛況のうちに終わり、数々のオファーが舞い込む西野亮廣氏に、MediArtでインタビューを行った模様を上下に分けて公開します。
以外と知られていないクラウドファンディング。
アーティストが個展を開催するのに必要な資金を集めることができて、告知もできる仕組み。
今回は実際にクラウドファンディングを使い、NY(ニューヨーク)のど真ん中で個展を開催した絵本作家の西野亮廣さんにインタビューした。
NY(ニューヨーク)で個展をしようと思った理由について
西野:2月に1週間休みをとってたんです。海外に1週間ほど旅行に行こうと思ったんです。
だけど、年明けに入院しちゃってポリープの手術があって、その入院で1週間くらい休んじゃったんですよ。
自分の中で「休みいらんな」と思ってじゃあ、2月に休み使って海外で何かしようかと..
その時、丁度せっかく自分は絵描いてるし、1回海外に行っておこうかと。
本当に思いつきなんです。何ヶ月も前とか何年も前から準備してじゃなく、1ヶ月前にやろうと思って。
――結構急だったんですね?
西野:そうなんです!だからみんなひっくり返ってましたけどね(笑)
1ヵ月後に僕がニューヨークで個展するって言い出すから..
やっぱり個展ってすごい準備かかるんですよ..
すごい無知で、僕は..だから大急ぎで、じゃあ資金繰りどうするか?とか。
そういう所からやっていきました。
――実際いくらくらいかかったんですか?
西野:あれはね、全部で結局個展するだけやったら..100万くらいだったと思うんですけど。
そっからやっぱり仕事につなげなきゃいけないとなった時に、レセプションパーティだとか、
例えば絵本を向こうで販売するとなったら関税が発生したりだとか..
クラウドファンディングを手段として使ったので、リターンのお金とかもいるんです。
全部もろもろ..500~600万とか。それはクラウドファンディングで集めたんです。
目標金額は150万やったんでです。目標金額以上集まったので、「じゃあ次は本を持っていけるぞ!」とか、「向こうで販売できるようになったぞ!」とか「レセプションパーティできるぞ!」とか。結局まあまあ赤字だったんですよ(笑)
そのニューヨークの個展の後に、美大に呼ばれて講演会に行ったんです。
――どこの美大ですか?
西野:多摩美大学です。美大に行ったときに、まず先生がクラウドファンディングを知らないんですよ!
それでみんな個展するにしてもお金がかかるんです。「その時にみんなどうするつもりだったんですか?」て聞いたらみんなバイトで稼いでとか言うんです。そん時に美大って「非常に無責任だな」と思いました。ここ教えないんだって。資金繰りの方法とか、お金の話をしないのは非常に無責任だって。それを講義で言ったら、すごい怒られましたけど(笑)
――確かに僕もアートの事とか調べましたけど、日本と欧米の違いは絵のマネージメントに対して勉強できる場所がないですね。
お金で語ったり、マネージメントというか..
西野:下品みたいになっちゃてますよね、お金の話をするのが。
でも絶対についてまわる問題やからそこはきちっと話していかなきゃいけない。何にするにしても、ブース構えるにしても出展料とか、
絶対にお金がいるのに、ここ教えないって無責任。美大の先生ってそれができない人が美大の先生になったんだと思って、それを全部言ったんですよ。
美大の先生って絵で教えてくれるかもしれないけど、絵で飯食ってく方法を教えてくれないよって。だってみんな知らない訳だし..
それで怒られたんですよ。あんなこと言っとったて言わんといてください(笑)
――実際に現場(NY)で個展やってみての現地の反応とか、苦労話とかあれば教えてください。
西野:結局3日間で1800人来たんですよ。
最終的には大成功やったんですけど、でもね、行くまでに1ヵ月後にNY行くって決めたので
お金が集まってクラウドファンディングで行くことになってから2週間、実はあと個展まで2週間しかなかったんです。
そこから宣伝費はかけれないし、かけても間に合わないから
結局NY行く前にツイッターのエゴサーチで「NY 寒い」とか「NY おいしい」とか今NYにいるであろう日本人をバーって出して。
1人1人に「はじめまして、キングコングの西野と申します。突然すみません。
今度いついつ、ここで個展があるんですけど是非きてください」ってこっちから送って。
それを2週間くらいはずーっとエゴサーチしながら携帯いじってました。
でもそうでもしないと、お客さんに来てもらわないとと思って。
しかも今回は人のお金でいかしてもらってるじゃなですか。
せっかく作品作ってあと人に任せるっていうのが..何か育児放棄してるような感じがしちゃうんですよね。届けるとこまできっちりやらないと..だから僕は全部やりました!!
『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』
『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』
絵本『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』
新型ロボットの男の子・ジップと、旧型ロボットの女の子キャンディ。ジップはキャンディに恋をした。ところが、ある日、キャンディのメモリー機能に異変が起きた!これ以上思い出を重ねると、キャンディは壊れてしまう。愛する彼女を守るため、ジップができる唯一のことは、キャンディをあきらめること。ジップのひとりぼっちのクリスマスに、サンタクロースは微笑んでくれるのか..恋するすべての人へ贈る、感動のクリスマス・ストーリー
Artist
西野 亮廣(AKIHIRO NISHINO)
1980年7月3日生まれ。日本在住。絵本作家。
代表作に『Dr.インクの星空キネマ』
『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』
『オルゴールワールド』(原案:タモリ)
最近では大人のための学校「サーカス」を企画し来年2月には「サーカス」の第2弾、
そして8月には過去最大規模の個展「おとぎ町ビエンナーレ」を開催する予定。絵本だけに留まらず幅広い活動を行っている。
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